メインビジュアル部分にスライダーを実装しているウェブサイトを見たことがあるかと思います。
今回は、ウェブサイトにおけるスライダーの役割や必要性について考えてみます。
目次
スライダーとは
スライダーとは、複数枚の画像を次々と切り替えて表示するものを指します。
クロスフェードで切り替わるもの、上下や左右にスライドして切り替わるもの、回転など複雑な動きをするものなど、様々な表現の方法があります。
スライドショーとかカルーセルという呼び方もあります。

スライダーを実装するメリット
限られた範囲の中で様々なコンテンツを紹介できるため、例えば、ショッピングサイトではその時々の新商品を紹介するといった使い方ができます。
- ファーストビュー(サイトを開いて画面に表示される領域)に多くの情報を盛り込める
- 動きが出ることで閲覧者の目を引くことができる
- オシャレで素敵なサイトに見える

デメリットも理解する必要がある
先に紹介したユニクロやトヨタは多くの方が知っている有名企業です。
ユニクロの新商品を調べたい、トヨタ車への買い替えを検討しているなど、じっくりとサイトを閲覧する方も多いことでしょう。
でも、そんな有名企業のサイトでもない限り、何分もかけてトップページをじっくりと見ることなんてほとんどないんじゃないでしょうか…。
実はあまりクリックされていない
こんな検証結果がありましたのでご覧下さい。
スライダーの画像 | クリック率(%) |
---|---|
1枚目 | 89.1% |
2枚目 | 3.1% |
3枚目 | 2.4% |
4枚目 | 2.8% |
5枚目 | 2.6% |
これは、あるサイトが行なった「スライダーのクリック率」の検証結果をまとめたものです。
2枚目以降、ほとんどクリックされていないことがわかります。
スライダーは自動で画像が切り替わるものもあれば、閲覧者がクリックやタップをしないとスライドしないものもありますが、どちらにしても、2枚目以降は “ほとんど見られてさえいない” ということになりそうです。
情報が伝わっていないかもしれない
前述の通り、スライダーは画像が自動で切り替わるものとそうでないものがあります。
自動で切り替わるタイプの場合、画像を見ている(読んでいる)途中でスライドしちゃってイラッ!なんて経験ないですか?
閲覧者の都合を無視してスライドさせるスライダーは、情報が伝わりきらないだけでなく、閲覧者を不快にさせるデメリットもあると言えそうです。
素敵サイトのスライダー導入率は?
素敵なサイトを集めたまとめサイトに掲載されていた新着 30サイトのトップページを確認してみたところ、こんな結果になりました。
静止画(写真・イラスト)※ | 21サイト |
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スライダーを使ったウェブサイト | 6サイト |
背景に動画を使ったウェブサイト | 3サイト |
予想以上にメインビジュアルが静止画のサイトが多く、ひと昔前と比べると、スライダーを実装したウェブサイトは随分と減った印象です。
※一部アニメーション画像を使用したサイトも含みます。
明確な目的なく安易に導入するべきではない
スライダーのクリック率の検証結果からも、2枚目以降ほとんどクリックされてことは明白です。
「みんな使っているから」や「なんとなく」程度なら設置する意味はないといって間違いなさそうです。
ちなみに、スタートミーアップが運営するウェブサイトもメインビジュアルは全て静止画を採用しています。
ショッピングサイトではおすすめ順に縦に画像を並べて表示しています。

そう言えば、何年か前に、Apple がスライダーの使用をやめたことが記事になったことがありました。
現在はと言うと… 今でもスライダーは実装されていませんでした。
1枚の画像に、精一杯の想いを込めてみてはいかがでしょう :^)